コラム

価値のジレンマ・・・・No.16 トヨタ自動車の研究開発費の2.5倍、2兆5000億円を投資している企業がある!?

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Amazonは研究開発費として2兆5000億円を投資し、この規模はトヨタ自動車の研究開発費の2.5倍に相当します。Amazonの営業利益率が2.3%に過ぎない理由がここにあります。

Amazonの営業利益率が2.3%に過ぎないわけ

1997年の上場時に、誰もが知るAmazonの創業者から株主に送られた手紙の抜粋です。

『わたしたちは果敢に先行投資をします。そうすれば市場のリーダーになり、安く仕入れができるようになり、より多くの顧客を呼び込むことができます。そして一時期を超えれば、その投資に対するリターンが発生し、当然、利益を上げられるサイクルに入り、最終的に株主の価値の向上に繋がっていきます。ただし私たちは株主の利益向上のためには働きません。私たちは顧客の利益を最大化させるために働きます』

株主への手紙は2020年にも送られましたが、その時の文面もこの内容と変わりはありませんでした。手紙の送り主はAmazonの創業者ジェフ・ベゾスです。

Amazonは利益を無視して果敢な先行投資を仕掛けることで知られ、キャッシュフロー経営を行い、プロフィット(利益)をさほど追求してきませんでした。世界の時価総額トップ5のGoogle、Apple、Facebook、Amazon、Microsoftのうち、Amazonを除く4社の営業利益率は25%以に上りますが、Amazonは2.3%に過ぎません。

そのわけは研究開発に膨大な費用を投資しているからです。ちなみに2017年度にAmazonは研究開発費として2兆5000億円を投資していますが、この金額規模はトヨタ自動車の研究開発費の2.5倍に相当しています。

 

参考資料:中部産業連盟プログレス2021年7月号

    :不況を乗り切るマーケティング図鑑(プレジデント社)