これからの日本で必要とされる仕事の能力
仕事の能力は、ふたつのスキルに集約される
偏差値偏重の教育を信じ、大学生の人気企業ランキングに選ばれている企業に入ることをゴールにした職業選択と人生の選び方は、これから意味を持たなくなる。若者たちはどの会社に入社するかを考える前に、自分の適性を踏まえて仕事を選択することが欠かせなくなる。
人間がしてきた定型業務は、ロボットやAI、ITに代替されていく
日本で製造業が盛んだった時代は、生産現場で機械を相手にする仕事が多かった。ヒトとの接触や、やり取りは苦手だが、機械を相手にする仕事なら苦にならないという人材は、この分野で活躍することができた。
経済のグローバル化により、生産拠点が国内から海外に移転し、機械を相手にする仕事は急速に減少を始め、さらに生産現場ではロボットやIT、AIによって、人間の仕事が代替される状況が加速している。
これは日本だけでなく、アメリカやヨーロッパでも同様の傾向が進んでいる。
これから主流になる仕事は、「知的労働」と「サービスマインド労働」
こうした中で、これから主流をなす仕事とは、『発想力と、ヒトを魅了する感性が要求される知的労働』と『対人関係性が重視され、会話力と心遣いが要求されるサービスマインド労働』のふたつに修練されていく。
『知的労働』と『サービスマインド労働』が持つ難しさ
『発想力と、ヒトを魅了する感性が要求される知的労働』とは、単に知識の量を競う知識労働(答えがひとつしかなく、暗記力が必要な仕事。創造性やクリエイティビティは発揮できない)と違い、学校では教えてくれないスキルだ。
また真面目で口数が少なく、人づき合いが苦手だという人は世の中に結構存在する。こうした人たちが、職業選択する際に間違って『サービスマインド労働』の分野に就職してしまうと、人に対するサービスマインドが足りないため、苦労することになり、時に「うつ」などを発症する原因になる。
その人に最適な仕事に就く
偏差値偏重の教育を信じ、大学生が選ぶ人気ランキングの上位企業に入ることをゴールにした職業選択と人生の選び方は、これから益々意味を持たなくなる。若者たちはどの会社に入社するかを考える前に、
自分には
『発想力と、ヒトを魅了する感性が要求される知的労働』
に向いているのか?
あるいは
『対人関係性が重視され、会話力と心遣いが要求されるサービスマインド労働』の能力があるかどうか?
というふたつの視点で自己診断し、それから進路を決めるべきだ。子供を持つ親が、過去の方法論に縛られていると、せっかく子供が持っている能力を潰してしまうことになる。