プレジデント10月29日号に酒井のインタビュー記事が掲載されました
中小企業の幹部に抜擢され、人生の後半戦がガラリと変る
雑誌プレジデント『2018年10月29日号人生が変わる「面接」のスゴ技』のシニアの再就職編で、酒井のインタビュー記事が掲載されました。
シニア世代の転職で求められる条件は、「収益を挙げられる人材」かどうかだ!
日頃からビジネス上のつながりを大事にし、常に自分が試されているという意識こそが、シニアの転職を成功させるポイント
マーケティングコンサルタントの酒井光雄氏はさらに厳しい現実を指摘する。「50代で転職した人の平均的な年収は400万円。バブル世代の彼らにとって、この数字は厳しいものですが、それが現実です。幸せな転職をしている人は多くないでしょう」
さらに酒井氏は、「そもそも転職エージェントに登録しようとしている時点で、負け組です」と手厳しい。「なぜなら、優秀な人材なら、すでに他社からオファーがきているはずですから。デキる人ならば、それくらいの人脈、ネットワークは持っているものですし、仕事ぶりというのは周りが見ているものです」
社員の個人的なつながりで人材を紹介する、いわゆるリファラル採用。この採用法は、若者に限った流行ではなく、むしろ、経験を積み人脈を作ってきたシニア世代にこそ最適な採用といえる。
では、シニア世代に求められるのはどんなところなのか。一つは、明確に企業に貢献できる、つまりは「収益を挙げられる人材」かどうかだ。
「リタイアを見越してソフトランディングを図ろうとしている人。そんな転職を考えている人は、経営者からすればその時点で『さよなら』。いい条件を引き出せるかどうかは、自分がどれだけ企業の利益に貢献できるかを明示できるか次第。それはビジネスにおいて当たり前でしょう」
酒井氏はこんなケースを紹介する。大手商社の60代社員が、取引先のメーカーに仕事ぶりを見初められ、リタイア後に営業部長として請われ再就職。その後、親会社の社長に見込まれ、あれよあれよという間に子会社の社長の座に登りつめてしまった。
また大手化粧品会社で中国のマーケティングを担当していた50代社員が、経営陣の交代によって社風が変ったことから会社に見切りをつけて、異業種他社に自らプレゼン資料を作って持ち込み、好条件で転職した。「彼はいまその企業で役員になっています」(酒井氏)。
酒井氏は、さらにシニア、シニア予備軍のサラリーマンの振る舞いについてこうアドバイスする。
「同僚と夜、居酒屋で愚痴をいう時間があるなら、中小企業の経営者に会いに行くことです。1カ月に一人でいいから経営の指南を受けたり話をすることを勧めます。中小企業の、これはと思う賢い経営者とつながっておく。キャリアを積んだシニアなら、一度は会ってくれます。今はセミナーや講演会、SNSでもそういう機会は転がっている。そして、会う時は常に自分が何ものかを示す『面接』の場だと意識しておくことです」
日頃からビジネス上のつながりを大事にし、常に自分が試されているという意識こそが、シニアの転職を成功させるポイントだということだ。
【プロフィール】
マーケティングコンサルタント
酒井光雄
ブレインゲイト代表。学習院大学法学部卒。著書に『男の居場所』(マイナビ出版)、『全史×成功事例で読む「マーケティング」大全』(かんき出版)など。プレジデントオンライン「社長の参謀」で連載も持つ。