マーケティングのジレンマ・・・・No.32 女性の脳は感情をため込むバケツ、男性の脳は感情を網目から素通りするザル
女性と喧嘩した時に、過去のことを折に触れて蒸し返されることに、当惑する男性は多い。女性はなぜいつまでも過去のことを根に持つのか。それは単に記憶力の違いだと誤認してはいけない。
不快なことを処理する脳の構造は、男女によって違う
パートナーと喧嘩した時に、過去のことを折に触れて蒸し返されることに、当惑する男性は多いはずです。女性はなぜいつまでも過去のことを根に持つのかと疑問に思っても、単に記憶力の違いだと誤認していないでしょうか。実は不快なことを処理する脳の構造が男女で違うことを、医学博士で心療内科医の姫野友美さんが解説してくれています。
姫野さんによれば「『子を産み・育てる性』である女性は、基本的に自分と自分の子どもの身を守ることを第一に考えます。自分に与えられた危害を忘れてしまうと、また同じ人に嫌な思いをさせられるかもしれません。2度と同じ目にあわないために、嫌な記憶を脳に留めておく」とのことです。さらに「大脳皮質は、理性、知性、言語といった高度な脳活動を司っているところですが、女性の脳は不快な思いをこの大脳皮質という部位で処理します。女性は大脳皮質でネガティブな感情を捉えると、その感情を言語化し、長期記憶として蓄える」そうです。
その一方、「男性は感情を短期記憶を司り、脳の中心にある扁桃体という器官で処理するため、すぐに忘れてしまいます。例えるなら、女性の脳は感情をため込むバケツなのに対して、男性の脳は感情を網目から素通りさせるザル」とのことです。
負の感情が女性のバケツから溢れると昔のことが蘇り、その原因をつくった男性が叱責されるというプロセスを経るのだと理解できました。さらに「女性は過去のことをいまさらどうしろということではなく、ただ「言いたいだけ」で、当時抱いた怒りの気持ちをわかってほしい。こういう時は、相手の思いに寄り添い(受容)、その思いを想像(共感)すること」だと姫野さんは指摘しています。
男女による脳の構造を踏まえ、マーケターは顧客に対応する必要がありそうです。企業が理屈だけで女性顧客に反論すれば、火に油を注ぐことになるからです。