マーケティングのジレンマ・・・・No.43 再び訪れるリスクを踏まえた3つの経済対策視点
第二次オイルショックに直面した際に、日本は「国内に石油を備蓄する」「石油の供給依存を中東以外に分散する」「日本の石油開発企業が自主的に開発する」という3つの政策が立案され、実行されました。この発想を基に、今後日本に再び訪れるリスクを踏まえた経済の対応策を考えると次の3点が必要になります。
パンデミックの教訓を生かし、日本に再び訪れるリスクを踏まえて経済の対応策を考える
第二次オイルショックに直面した際に、日本はイランから供給される石油が止まってしまう事態が危惧されました。
この時日本は、
●国内に石油を備蓄する
●石油の供給依存を中東以外に分散する
●日本の石油開発企業が自主的に開発する
という3つの政策が立案され、実行されました。
この発想を基に今後日本に再び訪れるリスクを踏まえた経済の対応策を考えるなら、
①必要になるモノを国内に備蓄する
②中国など特定国だけでなく、ベトナムやインドネシアなどに日本への供給網を拡大し多角化する
③国内で製造する
という視点が不可欠だと、元通商産業省の官僚で現在明星大学経営学部教授の細川昌彦氏は指摘しています。
安全保障を踏まえた経済発想は製造業に限らず、サービス産業にも必要な視点です。
アメリカは2016年に迎撃ミサイルTHAAD(サード)を韓国に配備したところ、中国はその制裁措置として韓国への団体旅行の制限を行ったため、韓国の観光収入は激減し大きな経済的打撃を受けました。同様の制裁は、過去に台湾に対しても行われています。
国内のサービス産業がこの安全保障を踏まえた経済政策を考えるなら、
①国内顧客のリピーターづくりに取組む(特に付加価値の高い会員制度や個人株主制度の活用)
②特定の国に依存しないインバウンド政策を推進する
③遠方へ出掛けるレジャーや海外旅行発想だけでなく、マイクロツーリズムに代表されるように地域経済に貢献するサービス開発とマーケティングの展開
が必要ということになってきます。
今回COVID-19が引き起こしたパンデミックによって、多くの企業とそこに働く人たちには大きな被害が出ています。新たな感染症の出現や安全保障問題によって、再び同様の事態が起きることを私たちは想定し、今回の教訓を生かして明日の飛躍に繋げましょう。