マーケティングのジレンマ・・・No.1 顧客の実年齢とマインドエイジの乖離
40代以上になれば実年齢よりも、精神年齢は10歳以上若く感じている人が増える
コラム
リンクトイン
女性や高齢者を相手にする企業なら、自社の顧客の精神年齢を踏まえたモノづくりと顧客対応が必要だ。
実年齢で顧客を想定すると、失敗することがある
40代以上の人なら、実年齢よりもマイナス5歳から10歳以上気持ちは若い
洗面所を使う折に、世代を問わず誰でも自分の顔を観察する。「白髪が増えたな~」「今日は肌の調子がいいわ」「目元にクマがある・・」など自身を冷静に観察する。こんな時は、誰でも実年齢を意識する。ところが着替えて仕事や家事に取組む段階になると、実年齢の意識は希薄化し、精神年齢の意識が強くなる。
かつて60代なら老人といわれたが、今の60代は精神的にも肉体的にも若くなっており、老人扱いされたら恐らく気分を害するはずだ。仮に外見は60代に見えても、精神年齢は-10歳から-15歳と認識している可能性が高い。心は若いままなのだ。女性の場合なら、30代なら20代、40代なら30代、50代なら40代の感覚で暮らしていると考えた方がいい。
商品開発やサービス開発などのマーケティングで、実年齢だけで担当者が考えてしまい、市場に出してみたら想定顧客よりも10歳以上年齢層が高い人たちが購入していたなんてことが、よく起きる。
顧客の絞り込み(セグメンテーション)で、年齢はひとつの要素に過ぎない。年齢軸以外の切り口を探せば、年齢にかかわらず幅広い世代を顧客にできたビジネスも存在する。もしセグメンテーションのひとつの切り口として年齢を想定するなら、実年齢と精神年齢の両方を勘案しておく。
この話にピンと来ないなら、プライベート(ガールフレンドや妻、両親など)と会社で周囲の人たちを観察してみるといい。人は理屈だけで生きていないから、面白い。ここに、顧客の心をつかむサイエンスが潜んでいると思う。