マーケティングのジレンマ・・・No.10 原作のストーリーを変更したから、ディズニーの映画作品は成功した
ウォルト・ディズニー・プロダクションがアニメーション映画として世の中に送り出した「シンデレラ」「白雪姫」「眠れる森の美女」などの作品は、原作とはその内容が大きく異なり、そのままに映画化していたら間違いなくホラー映画になっていた。
「シンデレラ」「白雪姫」「眠れる森の美女」など、ディズニーがアニメーション映画として世の中に送り出したの作品群は、原作とはその内容が大きく異なり、実は恐ろしい物語だった!?
『シンデレラ』(原題:Cinderella)は、ウォルト・ディズニー・プロダクション製作のアニメーション映画として1950年2月15日に公開され、1974年に再公開された。映画に使用された原作は、フランスの文学者シャルル・ペロー版だ。
もうひとつのグリム童話版の「アシェンプテル」では、王子が靴を手がかりにシンデレラを捜す際、姉たちは靴に合わせるために長女は爪先を、次女は踵(かかと)をナイフで足を切り落してしまう。しかし靴下に血が滲んでいたため見抜かれてしまうという流れだ。さらに話の終わりには、シンデレラの結婚式で2人の姉はこびて両脇に座るが、シンデレラの両肩に止まった白鳩に両目をくり貫かれて失明するという顛末だ。この原作のままに映画化したら、間違いなくホラー映画になる。
ディズニーの長編映画第1作目であり、世界初のカラー長編アニメーション映画となった『白雪姫』は、グリム童話が原作だ。白雪姫の母親は、継子の王女が自分よりも美しいことに我慢ならず、三度も王女を殺そうとする。最期にはその報いで真っ赤に焼けた鉄の靴を履かされ、祝宴の最中に王女らの目前で死ぬまで踊り続けさせられるという流れだ。この原作では、ファミリー向け映画にはならない。
1959年1月29日に公開されたディズニーの長編アニメーション映画『眠れる森の美女』(原題:Sleeping Beauty)は、前述したシャルル・ペローの童話が原作だ。ペロー版では、グリム版では省かれた2人の結婚の後の話が出てくる。「王女は2人の子供をもうけるが、王子の母である王妃は人食いで、王女と子供を食べようとする。それを王子が助け、王妃は自分の悪行が息子にばれてしまい、気が狂って自殺してしまうという顛末だ。
ディズニーがこうした原作を忠実に再現して映画を作っていたら、現在とは立ち位置が全く異なる企業になっていたはずだ。
※画像はWikipediaのシンデレラから引用