マーケティングのジレンマ・・・・No.21「バズる」とか「バズってる」という人ほど、本来の由来を知らずにいる
クチコミを生み出すバズ・マーケティングとは、クチコミを活用して行うマーケティングのことだ。混同されやすいバイラルマーケティングは、SNSやウェブサイトなどオンライン上のマーケティングに限定されたクチコミの誘発手法である点だ。
元マッキンゼーのコンサルタントで、エモリー大学の准教授も務めたルネ・ダイが指摘する「The 5 Myths of Buzz(クチコミの5つの神話)」
クチコミを生み出すバズ・マーケティングとは、ルネ・ダイ※(Renée Dye)が2001年1月29日にハーバード・ビジネス・レビュー(Harvard Business Review)で「the Buzz on Buzz」と題した論文で提示した概念で、クチコミを活用して行うマーケティングのことだ。バズ(Buzz)という単語は、「ざわめき・羽根音・下馬評・がやがやいう」といった意味があり、人々が噂話などでざわめいている状況を表現している。
※ルネ・ダイは元マッキンゼーのコンサルタントで、エモリー大学の准教授も務めた。
ルネ・ダイはこの論文の中で、「The 5 Myths of Buzz(クチコミの5つの神話)」と題して次の5点を指摘している。
<神話―1>エッジの効いた商品(情報が尖っている商品)だけがクチコミの価値があり、処方された薬のようにクチコミ効果がある。
<神話―2>クチコミは著名人を起用するなど計画的に意図した結果に起こる。
<神話―3>最良の顧客が、最高のクチコミ伝道師だ。時として反体制派はクチコミをはじめる大きな力を持つ。
<神話―4>クチコミから利益を生み出すには、先行優位性が必要だ。いつクチコミが拡散するかを知る企業が一番利益を得る。
<神話―5>クチコミを生むには広告が必要だ。ただしあまりに広告を使うのが早すぎたり多すぎたりすると、クチコミが始まる前に握りつぶしてしまうことになる。
バズ・マーケティングと混同されやすいバイラルマーケティングとは、商品やサービスを利用した人が、インターネットなどメディアを使って友人たちなどに紹介や推奨を通じてクチコミの誘発を狙ったプロモーション手法だ。バイラル(viral)とは「ウイルスのような」という意味の英単語で、ウイルスのごとく急速に拡散されたりしてコンテンツが広まることを意味している。
両者の違いだが、バイラルマーケティングはSNSやウェブサイトなどオンライン上のマーケティングに限定されたクチコミの誘発手法である点だ。
最近ネットで見たり、人から聴いたりしたクチコミにはどんなものがあったか、この機会に思い出してみよう。