マーケティングのジレンマ・・・No.5 企業にとって最大の脅威、それは時代に伴う環境変化だ
衰退するとわかっているのに、長きにわたって抜本策を打てず、現在に至っているのが新聞業界だ。典型的な「先送り」体質を抱えた日本の企業群だ。
コラム
リンクトイン
●既存メディアが今後の経営を模索する中、自社の情報をデジタル化させ事業構造を転換させて飛躍している企業がある
企業にとって本当の脅威とは競合企業ではなく、時代の環境変化であり、それに伴う生活者の消費行動変化だ。
企業にとって最大の脅威は、競合企業との競争ではなく、時代による環境変化だ
日本企業の先送り体質が、事態をより深刻にしてしまう
企業は競合企業との競争によって優劣が決まるように、近視眼的には見える。だが中長期的視点から見ると、本当の脅威になるのは時代の環境変化であり、それに伴う生活者の消費行動変化だ。
衰退するとわかっているのに、長きにわたって抜本策を打てず、現在に至っているのが新聞業界だ。
日本の新聞の発行部数(一般紙とスポーツ紙の合計)は、2008年には51,491,409部 で1世帯当たり部数は 0.98だったが、2018年には 39,901,576部となり1世帯当たり部数は0.70になり、この10年間で11,589,833部が減少している(日本新聞協会調べ)。
●既存メディアが今後の経営を模索する中、自社の情報をデジタル化させ事業構造を転換させて飛躍している企業がある
ITが進展して書籍や新聞の「紙の形状」が、ネット上のコンテンツや電子ブックの登場により「無形」になった。検索サイトの登場で紙製の百科事典が姿を消し、同じく紙製の地図はGoogleマップ・Yahoo!地図情報・マピオンなどの地図検索サイトに代替された。
国内の地図業界はゼンリンと昭文社が市場を二分していたが、現在ではゼンリンが圧倒的に優位な地位にいる。その訳はインターネットによる地図情報配信サービスを主力とする電子地図関連ビジネスに、ゼンリンはいち早く事業構造を転換したからだ。
1982年にコンピューター時代の到来に対応し、ゼンリンはこれまで人の手で行われていた地図の製作を、住宅地図の製作自動化システムや情報利用システムの開発を進め、電子化にいち早く取組んだことによる成果だ。
(画像はゼンリンのHPから引用)