コラム
リンクトイン
アメリカ人の給与が高騰しているニュースを日本ではよく目にします。ところが多くのアメリカ人は、自動車を購入できる年収に達していないという実態が潜んでいました。
個人年収で見ると、アメリカ人の82%は年収10万ドルを満たしていない
金融関連ニュースサイト「MarketWatch」の2023年10月のリポートによると、アメリカ人が車を買うのに必要な年収は、最低で10万ドルだと算出されました。この数字を国際調査データに照らし合わせてみると、アメリカの世帯の60%が「新車を買えない」状況になります。また世帯年収でなく個人年収で見ると状況はさらに悪くなり、全体の82%が年収10万ドルを満たしていません。
パンデミックによって自動車業界はサプライチェーンの混乱や半導体不足などの問題により、新車価格も中古車価格も史上最高にまで高騰しました。AIアプリ「CoPilot」のデータによると、2020年以降新車価格は30%、中古車価格は38%高騰しています。ちなみに2019年11月では新車の平均取引価格は3万8500ドルでしたが、2023年11月は4万7939ドルにまで急騰していました。
またアメリカでは手頃な価格の自動車が存在しないように見えますが、パンデミック関連の問題以外に、2万ドル以下で買えるより小型で安価な車の生産量を減らし、SUVやトラックなどより高額な車の生産に、自動車メーカーが重点を置くようになっていることも背景にあります。
参考文献:ニューズウイーク日本版 もう車が買えなくなったアメリカ人──年収10万ドルの壁