欧米の流れを受けて、これからの自動車市場はEVに転換するという考えが広がり、マスメディアの論調もEVに偏っていました。こうしたEVの流れがここにきて大きく後退し、ガソリンエンジンと電気モーターを併用し外部充電が不要のハイブリッド車が再評価されています。
アメリカの消費者情報誌コンシューマー・レポートで高評価を受けたのは、電気自動車でなくハイブリッド車!
アメリカの自動車販売におけるEVのシェアは現在8%弱ですが、乗用車のEV需要は急速に減速しており、今後さらに低下すると予想されています。
アメリカのレンタカー会社ハーツは2024年1月11日に約2万台のEVの売却を発表しました。この数はハーツが所有するEVの3分の1に相当します。EVの売却は2023年12月から開始し2024年中に完了する予定で、複数のメーカーのEVモデルが該当します。この売却益の一部はガソリン車の購入に再投資する予定とのことです。
またドイツのMercedes-Benzグループは、2030年までに新車販売の全てを電気自動車(EV)にするという従来の計画を撤回。2030年代もプラグインハイブリッド車(PHEV)などエンジンを搭載した自動車を販売すると、自社の戦略を転換しました。また各地域の排ガス規制に対応するため、新しいエンジンも開発していきます。2023年から続くEVの減速で、EVに注力してきた欧米の自動車メーカーは戦略の見直しを余儀なくされています。
こうした流れを受けて、大手企業からスタートアップまでメーカー各社は生産と投資計画を縮小しており、アップルはこれまでに100億ドル(約1兆4700億円)以上を投資して乗用車のデバイスに変えようとしていたEVプロジェクトを打ち切りました。
その一方、アメリカの消費者情報誌コンシューマー・レポートは、自動車の信頼性に関する最新の年次報告書で、EVへの評価が低い中で評価が抜きん出て高評価を得たのは、ガソリンエンジンと電気モーターを併用し外部充電が不要のハイブリッド車です。ハイブリッドメーカーのトップ企業は勿論トヨタ自動車です。ちなみにプラグインハイブリッド車(PHEV)のトヨタのプリウス・プライムSEは、2024年にアメリカエネルギー効率経済評議会からアメリカで「最も環境に優しい」車に選ばれています。