コラム

マーケティングのジレンマ・・・No.80 大都市の郊外で貧困層が急増している、アメリカンドリームの負の側面

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コラム リンクトイン

アメリカの中間層はこの50年の間に縮小を続け、総所得に占める中間層の割合は1970年62%から2021年は42%に縮小しています。こうした流れの中で、アメリカで貧困状態にある人の数は2019年から2022年にかけて約150万人増加して約4,100万人に達し、特に主要都市近郊の郊外で増大しています。なぜ郊外で貧困層が増えているのか。そこにはアメリカンドリームの負の側面が見えて来ます。

アメリカの貧困率は2019年の12.3%から12.6%に上昇し、貧困層が4,100万人も存在する!

アメリカ地域社会調査(ACS)によると、アメリカで貧困状態にある人の数は2019年から2022年にかけて約150万人増加して約4,100万人(アメリカの人口は3億4,181万4420人)に達し、貧困率は2019年の12.3%から12.6%に上昇しています。

また2019年から2022年の間に、アメリカの主要大都市の近郊では貧困状態にある人たちの数は大都市の3倍のペースで増加しており、特に南部、西部、中西部の主要都市近郊の郊外で貧困が急激に増えていると、ブルッキングス研究所の最新レポートが紹介しています。

2024年5月1日現在、日本の人口は1億2,393万人ですから、この貧困率を日本に置き換えると1,561万5,180人が貧困状態になるわけです。ちなみに東京の人口(令和6年4月1日現在)は1,413万3,086人ですから、アメリカの貧困層が4,100万人も存在することに驚愕します。

アメリカではこの20年間で富裕層が都市部に移り住んだことで、家賃や住宅価格が高騰しました。その結果、低所得の人々は主要都市部から郊外に移り住まざるを得なくなりました。しかし家賃や住宅価格の高騰は郊外にも波及し、郊外での貧困率が都市の貧困率の3倍のペースで上昇したわけです。アメリカで所得が大きく減少した人たちは、人種に関係なく高卒や大学を卒業できなかったという特徴があります。