企業名と肩書は、個人のブランド力ではない
個人のブランド力(セルフブランディング)向上のために取組むステップ・・・その1
企業が行うブランディグは「企業ブランディング」と呼び、企業や組織に所属する個人が、組織の中の個として行うブランディングは「パーソナルブランディング」という。そして企業や組織に関係なく、個人として独立した価値を高めるブランディングが「セルフブランディング」だ。
企業から支給される名刺が持てなくなると、男たちはなぜ委縮するのか
組織で働くビジネスパーソンにとって、名刺の力は大きい。企業や組織の名が社会に知られていれば、世間の人たちはその名刺を持つ社員を、その企業の力と最初は同一視してくれる。企業のブランド力が、社員に与えてくれる恩恵だ。
転職するために一時的に退職したり、早期退職制度に応募した人材が、名刺と共に企業名と肩書を失うと、初めて個人のブランド力の有無に気づく。個人の名前の前に何も「冠」がつかなくなると、周囲の人たちの接し方は変わる。名刺に記載された企業名と肩書で付き合っていた人間は、「冠」をなくした人からは、波が引くように去っていく。
起業し、誰もその名を知らない企業の経営者や社員、中堅中小企業の経営者や社員は、こうした名刺の恩恵に浴さないことが多い。企業のブランド力とパーソナルブランディングの向上に、彼らは仕事を通じて取組んでいく。それが功を奏すると個人ブランドの価値向上に繋げる人材も出てくる。
ブランド力とは、何かを成し遂げた結果、手に入る価値だ。
先人が築いてきた価値に乗ってるだけで、自らが企業のブランド価値向上に貢献しなければ、いつかはその企業のブランド価値も霧散していく。これが大企業病を蝕む原因のひとつだ。
ではどのような状況下にあっても、「セルフブランディング」に取組み、個人のブランド価値とその評価を高めていけば良いのか。本コラムでは、「セルフブランディング」を通じて個人のブランド力を高めていくための「解」を、シリーズで提供していく。(続く)