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会議で否定ばかりする人に、こう切り返えせば、それ以上反論しなくなる

やる気を削ぐ「面倒な人」の対処法

掲載URL:http://president.jp/articles/-/25455

コラム プレジデントオンライン

盛り上がっているときに水を差す、出鼻をくじく、終わった話を蒸し返す……。社内外でしばしば出会う「面倒くさい人」たち。上手に扱わないと、やる気をそがれるだけでなく、仕事が止まってしまう。結局、しわ寄せが自分にやってくるという事態に。どうすれば、翻弄されずに仕事が進められるのだろう――。

あなたのやる気を削いでいるのは誰?

どんなに前向きに、そして意欲的に進めていても、仕事に取り組む意欲を失うことがある。モチベーションダウンの原因を調べてみると、その大部分は人為的な要因で起きている。不可抗力の要因はあきらめるしかないが、人為的なモチベーションダウンはできるだけ避けたい。

仕事への意欲を失うときには、必ず予兆がある。人はどんなときに仕事への意欲をそがれるのか。また意欲を落とさず仕事に取り組むにはどうすればいいか。実際によくある事例から考えてみる。

取引先やわが社にいる「面倒な人」6タイプ

(1)会議で否定的な意見ばかり述べる人への対処法

解決策を見出すために会議で議論しているときに、出てきた具体的なアイデアに毎回否定的な意見しか述べず、弱点ばかり指摘する人がいる。「その企画は昔、取り組んだが、効果がなかった」「そのプランはウチの会社でなくてもできると思う」「その取り組みには、2つの弱点があるよ」などと、あら探しや弱点の指摘ばかりで、前向きな改善策につながることがない。

そのせいでその人が参加する会議では、プロジェクトメンバーが意欲を失ってしまう。本人は頭のよさをアピールしたいのかもしれないが、ただ創造的思考がまったくできない人間なのかもしれない。

経営者の逆鱗に触れるのが、このタイプの人だ。否定的な意見や指摘しかできない人には、「ご指摘はたしかに一理ありますね。ではこのプランに代わるアイデアをご提示いただけますか」「なるほど、鋭いご指摘ですね。それでは、ぜひこの企画を超える代替案を提案してください」と切り返せばいい。解決策を見出せないことを本人が自覚すれば、ネガティブな発言はできなくなる。

学生時代に暗記型の勉強や分析型思考だけで成績がよかった人ほど、創造的思考ができないことが多い。こういうタイプの人たちには、「できない理由を見つけ、仕事を停滞させる」のではなく、「できる方法を見つけて仕事を前に進める」ことが、給与をもらう条件なのだと自覚させるほかない。

(2)仕事を急がせておいて、すぐに返事をしない人への対処法

自分の都合を優先して相手に仕事を急がせ、要望に応えて急いで対応しても、無理をさせたことへの感謝の言葉すら伝えてこない――。こうした態度を取る人は、高圧的で権威主義的な要素を持つ可能性があり、仕事の納期で無理を言うだけでなく、発注する側の強い立場から価格交渉などで理不尽な要求をしてくることもある。

こうした担当者には、担当者の上司や部下にも情報を共有化し(メールならccやbccを使う)、状況を把握し理解してもらえるようにしておく。担当者に都合のいい状況説明を社内でさせないためだ。大企業から仕事を請け負う中小企業の場合には、万一の場合に備えて、公正取引委員会の下で運用・監督されている下請代金支払遅延等防止法(略して下請法)の内容も把握しておこう。

仕事を発注する権限を、自分の力と勘違いするタイプは誰からも好かれない。担当者が異動して発注権限を失えば、周囲にいる人たちの人心は一気に離れていく。そう考え、割り切って付き合えばいい。

あなたに無駄な作業をさせているのは誰?

(3)初めて一緒に仕事をする人への対処法

普段から仕事をしている相手なら、仕事の進め方や段取り、スケジュールの立て方、見積もりや請求方法など、これまでの仕事を通じて互いに理解し、共有化できている。だが、初めて仕事をする相手では、仕事の進め方から報告・連絡・相談に至るまで、これまでとは異なるやり方にお互いが戸惑うことになる。自分たちには当たり前のルールや慣習であっても、相手はそのルールを知らずにいることはよくある。

相手先企業や担当者との仕事が初めての場合、普段の仕事よりも綿密に進行スケジュールの確認、報告の方法と頻度、見積もりや請求のやり取りまで、気を抜かずに対応すべきだ。こうした場合に起こるトラブルは、お互いの仕事の進め方や仕事への接し方に起因するケースがほとんどだ。相互に理解し合えば、その後はスムーズに進み、意欲がそがれることはなくなる。

(4)やたらカタカナの単語を使って説明する人への対処法

会議やプレゼンテーションの際に、やたらカタカナを使って説明する人間がいる。たとえば、「今日のアジェンダでは、A社とのアライアンスに関して報告します」とか、「このスキームではドラスティックに取り組まないと、プライオリティがつけられない」といった具合だ。

本人は英語の言葉を使った方が知的に見えると思っているのか、内容が薄いことを見せないようにしているのか、会話に英単語を挟み込みこんでくる。過剰に英単語を使用すると、話の要点や真意が相手に伝わらず、無用な行き違いを生じさせることがある。デキる人は、意思決定者が中高年の役員の場合、高度な内容を平易に説明し、できるだけカタカナは避けて日本語にして話す。だが平気でカタカナを連発するタイプは、その配慮ができない。

同世代や部下の場合なら、「申し訳ないですが、説明してくれている内容を正確に理解したいので、カタカナを日本語にして説明してくれますか」と依頼する。面白いことにこう言われてカタカナを使わずに話そうとすると、上手く話せなくなる人がほとんどだ。話している本人が、曖昧な理解のままに説明していることが明らかになる。

上司や上役の場合には、さらにその上の立場にいる人にお願いし、カタカナを使わずに説明するように事前に申し渡してもらう。それでもカタカナを連発するようなら、その場で一喝することもあるだろう。

(5)仕事のゴールイメージを共有しない人への対処法

オリエンテーション(依頼する仕事内容を他者に説明)する発注者側と、オリエンテーションをもとに仕事を受ける側の双方に、共通の仕事のゴールイメージがないと、最後には必ず面倒なことが起こる。ゴールイメージが描けないままに仕事を始めると、いくらベストのアウトプットを提示しても、相手に判断基準がないため、やり直しをすることになる。

仕事を受けたらなるべく早い段階で、仕事のゴールイメージを両者で共有するように努め、そこで合意が取れてから着手する。ゴールイメージを共有するには、文字(文章)だけでなく、映像・イラスト・サンプルなど具体的に視覚でわかるものを使ってイメージを共有するようにしたい。

ホームページのデザイン、広告表現、商品デザイン、パッケージデザインといった仕事で、普通のビジネスパーソンを相手にする場合は、とくに綿密にゴールイメージを共有化しておきたい。想像力が豊かでない人でもイメージがわくように、「見える化」して説明しよう。

(6)会議に遅れて来て、途中で退席する人への対処法

会議の前に、議題について資料を読んで来ることもなく、ときには何を決める会議かもわからずに参加し、しかも遅れて来ては好き勝手に私見を述べ、途中で退出する上役がいる。しかも会議で決まった内容について、後から「オレは聞いてないぞ」とか「なぜそういうことになったのか」と言い出すことまである。

こうした人には、会議に遅れて来て途中で退席する際、会議で決まった内容については一任してくれるように事前に確約を取り付けよう。もしそれがNGなら最初から最後まで会議に出席してもらうようにする。

ただ、こうした人が最後まで会議にいると、せっかく尖った企画が丸くなり、面白くなくなることが多い。イエスマンばかりのメンバーではなおさらだ。これを避けるには、上司に本音を口にしても嫌われない女性社員に「部長、そういうのは若い人には受けない気がします」とやんわり静止してもらいながら進めるようにすれば、不本意な結果を避けられることもある。

面倒な人をうまく避けるのも、プロフェッショナルの条件

仕事の内容ではなく、そこに介在する人によって、無駄な作業や手間、残業が生まれてしまうことが多い。特定の人との仕事で無理や無駄、残業が多くなっていると気づいたら、先手を打って行動を起こせばいい。仕事への意欲を維持し、トラブルを未然に防ぐことが、プロフェッショナルの条件だ。