価値のジレンマ・・・・No.22 発展途上国こそ先進技術や先進医療が手に入る、時代の始まり
有線電話のインフラを持てずにいた発展途上国が、携帯電話の登場により最先端の通信技術を入手したように、医師や医療施設が不足している国々にリモート医療と医療用のドローンネットワークの運用が始まれば、医療や技術の格差は次第に縮小していきます。旧来のインフラや固定観念に縛られていると、先進国の方が立ち遅れてしまいます。
先進国よりも発展途上国の方が、先進技術や先進医療が手に入る!
アフリカのガーナ共和国では、ドローンを使った医療ドローンネットワークの運用が既に始まっています。アメリカのカリフォルニアに拠点を置くロジスティクス会社のジップライン社が開発したドローンを使用し、緊急用や定期利用のワクチンや血液製剤、救命医薬品など優先度の高い148製品を、オンデマンドで輸送しています。
このサービスは、年中無休で雨天も24時間体制で、4か所のディストリビューションセンター(各センターに30機のドローンが配備)から全国でおよそ1,200万人が利用する2,000ヶ所の医療施設に供給されています。
ここで使用されている飛行機型ドローンはカーボンファイバーと発泡スチロール製で、長さ2メートル、重さ11キロ、9キロのバッテリーを搭載し、最高時速は101キロ、最大1.7キロの医薬品を運ぶことができます。
ドローンはカタパルトから発射され、GPSによる位置情報と自律航法技術で配送先の上空に向かい、センターのスタッフが手作りした簡易パラシュートを付けたエアクッション入りの紙箱を、十数メートルの高さまで降下してから目標地点の半径10メートル以内の範囲に落下させます。基地に戻ってきたドローンは、基地の空中に横に張られたワイヤーに機体下部のフックを引っ掛かけ、吊り下がって止まる仕組みです。
ちなみに陸路なら自動車とフェリーを乗り継いで6時間かかる80キロの地点でも、片道45分で運んで医療施設上空で箱を落として、基地局に戻ってきます。