価値のジレンマ・・・・No.33 自分がいつか50歳になると、想像すらしていないビジネスパーソン
「自分はいつまでも歳を取らない」と錯覚しているかのように、日々会社に通い、暮らしている人たちが大勢存在しています。加齢していく姿を他人事で済ませてきた時間は容赦なく過ぎ、気がつくと役職定年や早期退職勧奨の対象になる年齢になっていきます。
ビジネスパーソンは幾つになったら、自身の社会的価値の向上とライフデザインを自分事としてとらえ、会社に依存せずに暮していけるようになるための行動を起こしていくのでしょう。人は確実に加齢するという事実に向き合い、自分事として行動を起こすことが、必要になってきているように思います。
私たちは確実に加齢していく
多くの企業で50代社員が増えています。
終身雇用と年功賃金に代表される日本型雇用制度が普遍だと信じていた多くのビジネスパーソンは、キャリアづくりと生活設計をこれまで会社に依存してきました。そのため自身の社会的価値の向上とライフデザインを自ら考え、個人として能力向上に取組む人は限られていました。
その最大の理由。それはいつか必ず自分も40歳や50歳になるという事実に、目を向けずに生きてきたからです。これは50歳前後の人たちだけでなく、現在、30代から40代の人たちにも共通しています。
2000年代に企業が行ったリストラや早期退職勧奨により、当時の50代社員がどういう処遇を受けたのかを目の当たりにしたはずなのに、自分事としてとらえる人はとても限られていました。
まるで自分はいつまでも歳を取らないと、錯覚しているかのようです。他人事で済ませてきた時間が容赦なく過ぎ、役職定年や早期退職勧奨の対象になる年齢に自分がなった時に、そこでやっと自分事として直面することになります。年功賃金の見直しと成果主義の導入が進んだ今、これからのビジネスパーソンが直面するのは、会社に依存できた過去とは異なる未来です。
晩婚化が進み、50代以降も子どもの教育費や住宅ローンの返済に資金が必要な人は大勢います。また未婚の人たちは自身の力で後半戦を乗り切る必要があります。誰もが50代以降も長く働き、収入が得られるように自身のキャリアプランを立てて実践していくことが欠かせません。
「働かないオジサン・オバサン」「逃げ切り世代」「妖精さん」などと年長者を揶揄している間に、明日は自分がその年齢になっていきます。キャリアづくりと生活設計を会社に依存する時代は終わり、30代からは誰もが自身の社会的価値の向上とライフデザインを自ら考え、実践していく社会になりました。
「私たちは確実に加齢していく」
このシンプルな事実から、目をそらすわけにはいきません。