私たちはマスメディアが報道するニュースやコンテンツだけでなく、SNSによって多様な情報を得ることが可能になりました。信頼できる専門家が直接自身のサイトや番組を通じて貴重な情報を発信してくれるので、マスメディアの情報にはかなりバイアスがかかっていたり、偏向していたりすることが私たちにも分るようになりました。
その一方、マスメディアが報道している情報やニュースが偏向していることに気付いているでしょうか。あるいはSNS上にある情報がフェイクではないかどうかを、私たちは判断できているでしょうか?
偏向報道やフェイクニュースを見抜く力
ネットにアップされるコンテンツはもとより、マスメディアが報道している情報やニュースが偏向していないかどうか。あるいは本当のように見えるフェイクニュースを見抜く力が、私たちにはとても必要になっています。受け取る情報を盲信せず、その情報は信頼できるかどうかを自ら確認することが欠かせません。この確認作業を行う際に、参考になる視座が6つあります。
①情報の発信元を調べて裏取りする
接触率や閲覧率を高めるため、ネットやマスメディアの記事のタイトルは、目を引くタイトルが意図的につけられ、時に記事の内容とはかけ離れたタイトルになっている場合があります。またタイトルだけが先行し、記事の内容は信ぴょう性に欠けるように感じることもあります。
こうした時、情報の発信元は明記されているか。またその発信元は信頼できる人物、あるいは組織かどうかを裏どりして確認します。
②1次情報を調べる
新型コロナウイルス感染症が広がった時期に、「知り合いの看護師から聞いた話ですが・・」とか「日赤病院の関係者の話によると・・(東京広尾にある病院名は、日本赤十字社医療センター、あるいは日赤医療センターが正しい呼称です)などのフェイクやデマがFacebookに出現しました。
情報が引用や伝聞による場合は、1次情報(この場合なら専門の医療機関や医師)を検索し、情報が正確かとうかを裏取りします。また内容を確認しないまま、安易にシェアしないようにします。
③情報が発信された時間を確認する
過日起きた能登半島地震と誤認させる、昔の震災画像が投稿されていました。自然災害の場合、その情報が過去の報道やフェイクの場合があります。こうした情報に触れたら、いつ発信されたものなのかを確認します。調べて見ると、その投稿内容はフェイクだと、ファクトチェック機関が明らかにしている事例もあります。
④他の情報源と比較してみる
驚くようなタイトル内容のニュースやコラムに触れたら、ネットとマスメディア双方の情報を比較して、その内容を確認してみます。特に留意すべきは、マスメディアの報道です。新聞やテレビが煽ったにもかかわらず、その内容が偏向していた報道(最近では加計学園問題が好例)がこのところ顕著に露出しているからです。また作為的な画像(例えばパトカーや赤色灯)が挿入されていないかどうかもチェックします。
⑤発信者側の意図を裏読みする
情報発信者が相手の信用失墜を目的に、虚偽の情報を流していないか。その報道は誰にメリットをもたらす可能性があるかを裏読みしてみます。その上で情報発信者は信頼できるかどうかを確認し、発信の目的が偏向していないかどうかをチェックします。
⑥フィルターバブルに注意する
日々ネット検索を行っていると、アルゴリズムがあなたの検索履歴やクリック履歴などを分析して、あなたの思想や行動特性に合わせた情報を作為的に表示するようになります。これが自分にとって心地よい情報しか届かなくなるフィルターバブル現象です。フィルターバブルによって似通った情報や自分と同じ視点に囲まれないためには、過去の閲覧履歴やログイン時のデータを残さないようにします。またSNSで可能な場合は、アルゴリズムを解除しておきます。
受け取る情報を盲信せず、その情報は信頼できるかどうかを自ら確認することも、情報リテラシーを向上させてくれる大切な要素です。