コラム

価値のジレンマ・・・No.47「贅沢はしても、見栄は張らない」

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コラム リンクトイン

貧乏が過ぎると心がすさみやすく、金持ちが過ぎると横柄になりやすいと言われます。短期間にお金持ちになった人がともすれば成金と揶揄されるのは、お金の使い方に起因します。身につくお金の使い方を知るにはどうしたら良いのでしょうか。

生業には貴賤はないが、生き方には貴賤がある

「生業には貴賤はないが、生き方には貴賤がある」 これは勝海舟が口にしたとされる言葉です。世の中に必要とされる仕事であれば、どんな職業でも地位や身分の高低による上下関係は存在しませんが、人生の歩み方には貴賤(地位や身分が高いことや低いこと)があるという意味です。

過日、プレジデントオンラインの高森勇旗さんのコラムで、ある富裕層の方のコメントが紹介されていました。

「贅沢はしてもいいが、見栄は張るな」

「贅沢で潰れる会社はない。何が良いものかを知るためには、贅沢をしなければならない。潰れる時は“見栄”で潰れる。絶対に、見栄のためにお金を使ってはいけない」

という指摘です。

他人からお金持ちと思われたいという目的でお金を使う行為は見栄ですが、自身の経験値を増やし、新しい出会いや考え方を得るための自己投資は贅沢だとしています。

横領事件を起こした人が、流用したお金の使途を尋ねられると、夜のクラブやキャバクラで使ったり、ブランドショップで頻繁に買い物をしたりしていたというコメントが必ず出てきます。

直近では名の知られた脚本家が残した財団で、約20年経理を担当していた女性が約1,100万円を横領する事件が起きました。横領したお金はルイ・ヴィトンやフェンディなど高級ブランド品の購入、飲食費や交際費などに使っていたと自供しています。こうした消費行動は、典型的な見栄を張る行為に映ります。

貧乏が過ぎると心がすさみやすく、金持ちが過ぎると横柄になりやすいと言われます。

確かに身につくお金の使い方を知るのは、容易ではありません。見栄を張らず、贅沢を知るためには、時間を掛けて本質を会得していくのが、生きたお金の使い方かもしれません。