マッチングアプリを通じて「出会う機会」が増えても、異性との交際や結婚に必ずしも繋がらないという傾向が表れています。
マッチングアプリを通じて「出会いの機会」が増大しても、男性の交際や結婚には必ずしも繋がらない!?
コロナ禍による特需が落ち着いた現在、マッチングアプリ市場の陰りが顕在化しています。
サイバーエージェントの傘下で自ら恋活・婚活アプリ事業を手がけるタップルが、2023年6月中旬に発表した国内マッチングサービスの市場規模予測によると、2023年は前年比で微減となりました。またその後の成長も2022年までと比べると急速に鈍化するという予想で、過去の市場規模予測からは大きく下降して推移する見込みです。
マッチングサービス鈍化の原因は、「マッチングアプリでマッチングされない問題」だという指摘があります。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングによる2021年「マッチングアプリの動向整理」によると、「マッチングアプリで実際にデートした人数がゼロ」という割合が、20代24.3%、30代20.4%、40代は31.7%に達しています。こうした「一人も出会えない」人がいる一方で、複数の相手を見つけて恋愛をしている層も存在しています。
マッチングアプリは『対人魅力(容姿・社会的地位・収入・資産)』に基づいて、相手を選ぶツールとして利用されています。しかし恋愛資本を構成するもうひとつの柱である「異性とのコミュニケーション能力」はこのアプリ上では反映されにくく、対人魅力が優先されてしまいます。
この結果、男性の場合は容姿や社会的地位、収入、資産に恵まれた人が優位に立ちやすく、出会いの機会が偏る傾向が強くなります。
女性はマッチングアプリ上で対人魅力を基準に男性を選ぶ傾向が強いため、対人魅力が不足している男性は不利になります。マッチングアプリを通じて「出会いの機会」が増大しても、男性の交際や結婚には必ずしも繋がらないという理由がここに潜んでいます。