2018年 日経BPマーケティング アワーズ 審査会
審査委員 酒井光雄 講評
掲載URL:http://corporate.nikkeibp.co.jp/information/newsrelease/20180309.shtml
日経BP社(本社:東京都港区、社長:新実 傑)は「第4回(2018年)日経BP Marketing Awards」を決定しました。
酒井光雄はこの審査委員を務めました。
審査委員 酒井光雄 講評
ブレインゲイト
代表
酒井 光雄
2018年5月1日
企業のコミュニケーション活動は、近年その目的が非常に明確化しKPI(key performance indicator の略。企業目標の達成度を評価するための主要業績評価指標の意)が設定され、その目標が厳しさを増している。それに伴い従来のような広告宣伝部門の広告予算ではなく、各事業部が持つ営業活動費や販売促進費から捻出されることが増えている。
こうした中で従来から日経BP社は800万人の日経ID会員の購読者特性を分析し、企業が想定する顧客層の消費性向を把握して、彼らにアプローチする手法を高度化してきた。
その代表的な活用事例が、ストラテジック部門で最優秀賞を受賞したリンナイ㈱の「ECO ONE」GXEプロジェクトの作品だ。B2B企業は最終顧客である生活者の実態を知らず、またその声も聞けずにきた点を踏まえ、直接生活者に届く価値あるコンテンツの開発と提供に成功している。販売店や施工会社だけに眼が向きやすいB2B企業にこそ、今後必要となる貴重な視座に溢れた作品だ。
また専門媒体特別賞に選ばれたマルホ㈱はグローバルニッチとして独自性を発揮する優良企業として知られる企業だが、規制の多い広告表現の中で、帯状疱疹の新薬「アメナリーフ」が国内創製である点を広告表現に生かし、日本の伝統的表現手法を用いて商品機能がしっかり伝わる作品に仕上がり、特別賞という評価を受けた。
企業のコミュニケーションは、重点顧客層に対してどれだけ購入に至る意思決定や消費行動に結びつけられるかが最大の課題だ。その鍵を握るのは、メディア側が持つ購読者や閲覧者というフィルターを通した顧客データの精緻さと、その活用ノウハウにある。この課題解決に至るプロセスが鮮明に浮かび上がる審査会となった。